出典:https://www.asics.com/jp/ja-jp/mk/running/asics-speed-series
2021年の現在、陸上長距離のトップランナーが履くシューズブランドは、ほぼナイキに席巻されています。その状況はアシックスをはじめとする国産ブランドを愛するランナーにとってはかなり悲しい状況と言えるでしょう。
何しろ2021年の箱根駅伝ではアシックスを使用した選手がゼロということだったという事実はショックです。アシックスが国内市場をほぼ制覇していた時代を知る人間にとっては「こんな時代が来るとは。。」という思いです。
そんな状況の中、ようやくというかついにというか、アシックスから競技者向けの本格厚底シューズが発売されました!(正確には後述するMETASPEED Skyが3月31日に発売済み。METASPEED edgeは6月4日発売予定)
これまでもメタレーサーはあったが。。
これまでも競技者向けの厚底シューズとして「メタレーサー」というシューズが発売されていましたが、ほとんど話題に上がっていませんでした。慌てて出した感が否めず、厚底というには中途半端なもので、実際厚底のメリットが大してなかったのではないかと思います。
川内優輝選手がびわ湖毎日マラソンで履いて快走!
そんな中、先日のびわ湖毎日マラソンでアシックス契約ランナーの川内優輝選手が、アシックスの厚底シューズ(おそらく発売前だったMETASPEED)を履いて、2時間7分27秒の自己記録更新の好タイムをマークして見せました。最近低迷が続いていて、33歳という年齢から限界説も出ていた川内選手が、これまでの薄底から厚底にスイッチした途端にこの結果ですので、やはり厚底シューズ恐るべしということになるかと思います。
当の川内選手もゴール後、このシューズを絶賛していたようです。まあ契約選手だと思うので当たり前か。
厚底&カーボンプレート入り
さて今回発売となったMETASPEEDですが、基本的には厚底シューズの規範となったナイキヴェイパーフライに倣ったもののように思えます。
分厚いアウターソールとカーボンプレートの組み合わせですね。更に形状的に前足部が跳ね上がった形になっており、ゆりかごのように動作して体重移動がスムーズに行えるといったものでしょうか。
まあ自分は履いてみてないので想像ですが。。
ストライド型とピッチ型の2タイプを用意
このMETASPEEDでアシックスが独自性としてアピールしているのは、ストライド型とピッチ型の2種類のタイプを用意したことです。
このあたり、モノマネ・二番煎じと言われないようにアシックスも何とか知恵を絞ったのでしょうね。いや善意に解釈すれば様々なランニングフォームがある中で、シューズもそれに合わせるべしというのは当然の主張ではあります。
ただやはり平凡な発想というか、、もうちょっと新規性のあるアピールポイントがあってほしかった気がします。
見た感じは、ストライド型のMETASPEED Skyの方がナイキ並みの超厚底、ピッチ型のMETASPEED Edgeがそれよりマイルドな厚底といった感じです。
確かにアフリカや欧米の選手に比べるとピッチ型が多い日本選手を対象に考えると、Edgeの存在価値も分かる気がします。ただ厚底がマイルドな分、その効果も限られているのではないかという心配もありますが。
METASPEEDは王者ナイキと勝負できるのか?
さてこのMETASPEED、ナイキのヴェイパーフライ・アルファフライに対抗できるのでしょうか?
既に世界記録に挑むレベルから高校生レベルまで幅広い領域で追従を許さないほどの実績を積み上げてきたナイキに対して、反撃の体制が整ったというにはまだまだな状態ではないでしょうか。
METASPEEDの優位性といえば前述のストライド型・ピッチ型の2タイプがあることと、重量的に多少軽いことでしょう。正確な数値が見当たりませんでしたがおそらくMETASPEED Skyとヴェイパーフライネクスト%が同程度で、アルファフライはそれより20g程度重く、METASPEED Edgeは逆に10g程度軽いって感じでしょうか。
ただこれだけでは戦う武器としてはまだまだ心もなく。。やはり大きな大会での実績・トップ選手の使用といった営業ポイントがほしいところでしょうjね。
練習用の廉価版もあり
今回発売されたアシックス製厚底シューズにはMETASPEEDの廉価版もあります。まあ3万円近くするお値段は一般のランナーにはなかなか手が出ないですからね。
MAGIC SPEEDはサブ3ランナー向け、HYPER SPEEDはサブ3.5~4ランナー向けだそうです。厚底感はMETASPEEDとはかなり異なるとは思いますが、初めての厚底シューズとしてはちょうどよいかもしれません。
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