ランニングシューズを選ぶ際に重要な検討項目として、シューズの重さがあります。
当然、軽いほど走る負荷が減って楽に走れそうです。
また競技者向けのシューズは例外なく軽量化が図られています。
とはいえ、それほどスピードを求めないレベルのランナーにとっては、シューズの重さはどれほど重要なのでしょうか?
この問題についてちょっと考えてみましょう。
ランニングシューズ軽量化の歴史
1970年代ぐらいまでは、それほど軽さを追及したシューズは無かったのではないかと思います。
それが1981年にアシックスがスカイセンサーとソーティという現在に続く名品を発売したことで、軽さがシューズの最重要の機能要素としてピックアップされました。
この両シューズは軽量さをウリにしていました。
記憶が曖昧ですが、スカイセンサーが200gを少し切る程度、ソーティは170g程度だったかと思います。
それ以前はそんな軽量なシューズは無かったので、競技者はこの両シューズに飛びつきました。
スカイセンサーはジョギングシューズの扱いだったと思いますが、その軽量さゆえ、競技でも使う人もいました。
その後は他のメーカーも軽量化戦争に参画してきて、シューズの広告では「軽量○○g!」とPRするのが定番になっていたと思います。
ソーティも代を重ねるにつれ軽量化を進めていきましたが、やがて壁にぶつかります。
まあよほどの新素材でも見つからなければ、なんらかの機能や耐久性を犠牲にせざるをえなくなるでしょうから当然でしょうが。
ということで軽量化戦争はそれほど長続きせず、シューズの重さはその当時からほとんど変わっていません。
ランニングシューズの重さはどのくらい?
上述のようにランニングシューズの軽量化が始まった頃は、200g(片足分)を切るというのが、軽量シューズの目安でした。
現在では、エリートランナー用の最軽量のシューズ(ソーティマジックやターサー)で150g程度。
これはだいたい最近のスマホと同じくらいですね。
逆にビギナー向けのジョギングシューズ(GT-2000ニューヨークなど)は300g程度。
2倍程度の違いになります。
まあ見た目からしてそのぐらいは違いますよね。
シューズの重さはタイム・走りに影響するのか?
ではシューズの重さは本当に走りに影響があるのでしょうか?
これは走るスピードによって感じ方は大きく違います。
正直言って、ジョギング程度のスピードならシューズの重さを気にすることはほとんど無いと思います。
それより接地時の衝撃やその吸収性の方がよほど気になるかと。
一方、本当に競技レベル(3分/kmなど)だとグラム単位で気になる人はいるようです。
10gも違えば走りに影響するとか。
私は現役時代でも、せいぜいその数歩手前までのレベル(3分半/km)でしたが、そのレベルだとそこまで気になりませんでした。150gと200gのシューズを比較しても、どちらでもよいという感じです。
むしろミッドソールの反発性がよいなら、重くてもかまわないという感じです。
というような感じですので、ランニング初心者の方ならまずは重さは気にせずシューズを選んでもよいと思います。
まとめ
その昔、ランニングシューズの重さは他社との重要な差別化要素でしたが、最近は素材・技術的には行きつくところまで行ったという感じで、単なる基本要件といった感じになりました。
またその軽量化も、エリートランナーにとっては重要な要素ですが、ビギナーランナーにとってはさして走りに影響するものではないです。
ランニングシューズを選ぶ際には、重量の数値を追い求めるよりは他の要素を検討した方がよいと思います。
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